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三原ミツカズ「地上10メートルの檻から」発売記念インタビュー!
定価980円
収録作品:
TWO SWEETS ×××/カナリヤ/a Paradox of Lion/NATURAL BORN SCISSORS/離婚式/what a wonderful world/天国と地獄/地上10メートルの檻から
2色刷を施された3篇の内の一部!
三原ミツカズ先生の
約5年ぶりの作品集「地上10メートルの檻から」が
ついに発売になりました!
この本は、マンガ誌やイラスト誌、ファッション誌などさまざまな媒体で執筆され、
単行本には収録されていなかった8篇を収録した短編集です。
しかも3篇は雑誌掲載時のカラーにアレンジを加えた豪華2色刷り!
そんなファンにはたまらない単行本の発売を記念して、
三原先生の近況を伺うべくインタビューを敢行!先生のお仕事場のお写真を交え、
最新トークをお楽しみ下さい!
「地上10メートルの檻から」について
編集部(以下、編):「地上10メートルの檻から」発売おめでとうございます。
三原:ありがとうございます。
個人的に好きな作品が多いんですが、テンションが違う作品ばかりなので
まとめる機会がなかったのです。
チョコとおせんべいと豆大福とマカロンが同じ箱に
入っているようなバラエティにとんだ作品集になりました。
編:作品ひとつひとつについては、本の巻末で著者解説で語っていただきましたが、
まずはカバーについて聞かせて下さい。
三原:デジタルに移行してから初めて描いた男子です。
女の子は肌にリアルな影を入れてしまうと可愛げがなくなってしまうんですが、
男の子は容赦なくガッツリ入れられるので楽しいですね。
編:デジタル作業の具合はいかがですか?
道具アップ
モニターと同じくこれがなければ描けなかったであろうペンタブレットワコムのintuos4。
怪しい小瓶はヘビロテの殺菌アルコールのボトルです。
三原:デジタルにはずっと興味があったんですが、紙で見た時と液晶画面で見た時に
色の差がかなり出てしまうことがネックだったんです。
特にピンク系はモニターだと発色が良すぎて魔物だなぁと…。
試行錯誤した結果、10年以上使ってきたMacからWindowsに替え、
とにかくモニターとメモリにこだわりました。
今はEIZOのモニターを使っていますが、画面にテカリがなく印刷される紙を
読み込んでくれるという優れものです。技術的には全然まだまだです。
編:この本の中でいちばんお好きな扉イラストはどれですか?
本物の婚姻届と離婚届がデザインに組み込まれた扉。
三原:印象的なのは「離婚式」です。
担当さんがわざわざ市役所から婚姻届と離婚届を取ってきて下さったんですが、
係の方にすごく胡散臭い目で見られたらしく…。その節はすみませんでした。
編:この本の中でいちばん印象的なキャラクターは誰ですか?
三原:NATURAL BORN SCISSORSのジャックでしょうか。モデルは見たままあの人です。
かっこつけているのにどこか抜けているキャラが好きです。
流しのカリスマ美容師・ジャック! 顔に傷のある印象的なキャラ!!
編:人物を描く時に意識していることはありますか?
三原:パーツの色気ですね。
休筆している期間、デッサンやクロッキーをやっていたんですが
デッサンが人体に忠実であればあるほど印象の薄い絵になってしまって。
指はそっちには曲がらない!とか多少あっても漫画ならではのアングルやフェチを
優先しようと思いました。
あ、でも単にデッサンが狂ってるだけのことも多々あります。私の場合は(笑)。
編:発売を記念してフィール・ヤング3月号に読切り「ユキオトコ」を執筆されましたが、
これが生まれた経緯を教えて下さい。
2年ぶり、待望の読切り「ユキオトコ」の扉。
三原:まず、見開きの絵が浮かんで、それに肉付けしていった話です。
今までで一番服が大変だった男の子が出てきます。
実は服のパーツも伏線です。読んで下さると嬉しいです。
近況
編:最近ハマっていることは何ですか?
三原:買ったらイカン!絶対無中になると避けていたミシンをとうとう買ってしまいました。
手芸全般と、今更マカロンにはまっています。
お仕事場(パソコン全景)
アイアン以外の黒家電が苦手でなんとかふしぎの国のアリス風にしようとした結果。
編:作業中にノれる音楽はありますか?
三原:映画や話題のアニメなどを流すようになりました。
セリフに突っ込んだり構成の勉強になったりで楽しいです。
編:漫画家になる前に好きだった漫画作品、小説などがあれば教えて下さい。
三原:多田由美先生、高橋葉介先生の作品全て。小説は筒井康隆先生です。
編:ありがとうございました。
三原先生の10年分の〝幻の短編〟を味わえるバラエティフル作品集の巻末には、
先生初の作品解説も収録。読後に先生の当時を振り返るコメントを是非お楽しみに!
(取材:2012年1月某日)