多くの働く女子、そして恋に悩める女子から共感を呼び、
2006年にはドラマ化された「FEEL YOUNG」の大人気作品『サプリ』。
その最新巻であり、最終巻である10巻がこの度、発売されました。
発売を記念しておかざき真里先生にお話を伺いました。

suppli10_cover.jpg定価980円

<サプリについて>

編集部(以下、編):6年に及ぶ長期連載でしたがお疲れさまでした。
          サプリ最終回に向けて描くにあたって、特に意識なさったことはありますか。

おかざき(以下、お):まっすぐ、描くこと・・・。でしょうか。
           私ねえ、けっこうすぐ「よれる」んです。
           でも数話前から最終回に向けて助走していたので、
           一直線にきれいに飛ぼう、と。


編:登場人物たちにとって大きな分岐点となった「水原の死」ですが、
  このエピソードを描こうと思った理由は何ですか。

お:これは5巻あたりから・・・。
  「いつかここまで描けたら本望だな」とずっと持っていたものです。
  生きるために働いていく中で、脱落者って絶対出ちゃうものだから。
  でも、最後まで悩んで、担当さんに「(水原死亡の回の)最後の1コマ
  (水原の死を伝えるコマ)はずしても・・・」なんて言ってました(弱気)。


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<この笑顔のあと、水原は…/単行本9巻参照>

編:全体を通して描くのが難しかったシーンはありますか?
  特に難産だったシーン、エピソードがあれば教えてください。

お:荻原と別れる回は、気を使いました。
  別れるための話し合いとか説得って、実際でもものすごくめんどくさいじゃないですか。
  もう片方(あるいは双方)に結論が出ちゃってる。自分の中でもそうなっていて、
  それでも読者に向けて説得力持って描くのはしんどかったです。


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<藤井と同様、驚いた読者も多かったはず/単行本4巻参照>

編:お気に入りのシーン、エピソードががあれば理由も併せて教えてください。

お:女子がダラダラ飲んで毒舌かましてるシーンはどれも好きです。

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<本当に良い“チーム”といった感じでした>


編:先生も昔、主人公たちと同じ広告代理店にお勤めになられていたと
  いうことですが、先生ご自身に一番近いと思うのは、どのキャラクターの
  どんなところですか?

お:誤解を気にせず申しますと、田中ミズホです。
  女子力のまったくない、田中ミズホ。それってサイアク。


編:それぞれの個性が強く、魅力あふれる登場人物たちでしたが、
  ずばり先生が選ぶ一番の「いい女」そして「いい男」は誰でしょうか?

お:いい女・・・最終回で、藤井をちゃんといい女にしたつもりです。
  いい男・・・スピンオフで、イシダをいい男にしたつもり・・・。


編:描きやすかった、描くのが難しかった(あるいは動かしやすい、動かしにくい)
  キャラクターを教えてください。また、このキャラが出てくると
  特にネームが進むというキャラクターはありましたか?

お:「困ったときの田中ミズホ」です。

編:雑誌掲載時のカラー扉で、特にお気に入りの扉はありますか?

お:巻頭見開きで、女子全員が和装しているやつ。
  自分オリジナルのカラーの描き方を模索している中で、これはうまくいったな、と。


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<原画でお見せできないのが残念です…。/「FEEL YOUNG」2008年8月号掲載>

編:単行本化にあたり3ページ描き足しがありました。
  この3ページを描き足すことになった理由、描き足した意図をお教えください。

お:もともと、入れようかな、どうしようかな、とずっと迷っていたモノローグでした。
  飛び道具的な最終回だったので、あまり誤解ないよう、単行本化に当たって入れてみました。


編:これから藤井はどんな人生を歩むのでしょう。
  先生が最後に藤井に一言かけるならばなんと声をかけますか。

お:がんばれよ、と。

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<この2人の結末は是非10巻でお確かめ下さい♪>

 

※※ネタバレ注意※※
  



<サプリスピンオフについて>
編:今月号から3回連続でサプリのスピンオフが掲載されますね。
  スピンオフを描くことになった経緯を教えてください。

お:最終回を練っていて、各キャラのその後やエピソードを
  一コマずつやセリフで説明していたのですが、最終回は藤井と佐原に
  絞ったほうがよい、ということで落としていった各キャラの1コマを
  それぞれスピンオフにすることにしました。


編:スピンオフ第一弾は藤井&石田、藤井&藤井の妹のお話でした。
  初登場の藤井の妹ですが、これは連載当初から(登場しないにしろ)
  イメージがあったのでしょうか?

お:実はなかったのですが(笑)。
  空白の二年間のあいだ、いちばん大変なのは親との確執や説得だろうな~と思い
  クッションとして妹というキャラを立てました。

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<藤井の妹、アユちゃん。彼女は一体どんな女の子…?>

編:最後に読者の皆様に一言お願い致します。

お:おつきあいくださいまして、ありがとうございました。
  私自身、連載当初はまさかここまで長くなるとは夢にも思っておりませんでした。
  月並みな言葉ですが、これもひとえに読んでくださったかたのお力で
  ここまでこれたと思っております。
  新連載もがんばりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


編:おかざき先生、ありがとうございます!!
  『サプリ』最終巻10巻と
  『サプリ スピンオフ』が掲載されている
  「FEEL YOUNG」2月号は只今絶賛発売中です★
  よろしくお願い致します~。
 

(取材:2009年12月某日)