本誌にて大人気連載中の「うさぎドロップ」。
第一部からの10年が段々とみえてきた要注目のepisode.37~42を収録!
みのがせない第7巻がいよいよ発売です!

usa7_cov.jpg定価980円

【単行本について】

編集部(以下編):「うさぎドロップ」7巻発売おめでとうございます! 
           今巻のカバーはグリーン地。

宇仁田:今回は、りんが作ったうさぎの編みぐるみが出てきます。
    裏表紙のダイキチは、なかなかのダイキチっぷり。
    カバーと帯の色の組み合わせが素敵なのでわたしも毎回楽しみにしています。

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カバーイラストのシタガキ

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カバーイラストの清書
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使わなかったほうのカバーイラストのラフ



編:通常の単行本作業(本誌掲載原稿への加筆修正とカバーイラスト描き)に加え、
  初回限定特典のペーパーとPOPの描きおろし、おつかれさまでした。
  ペーパーは、表が6歳バージョンのりんのイラストで、裏が高校生のりんの
  マンガになってるんですよね。

宇仁田:裏面では高校生のりんが、宇仁田ゆみの今までのフィールコミックスの解説をしています。
    なつかしいキャラクターも描けて、とても楽しかったです。
    POPのほうの大きいりんは、なかなかの脚が描けたと思います。


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(↑書店用POP)10年前と現在のりん。イイ脚してまっせ。

 

編:第二部になってからもう3冊目なわけですが、第一部と比べて、描き手として
  楽しいところや苦労していること、特別思うことはありますか?

宇仁田:こども時代を描いているころから、「この子は大きくなったらこんな感じに
    なるだろうなあ」と各キャラクターについてそんなことをよく考えていたので、
    高校生になってもわりとすんなり描けました。
    ダイキチは年とってからのほうが描きやすいです。
    今思えば30歳はおじさんっぷりが中途半端というか…今思えばピッチピチですよ。30歳。

    りんの生い立ちのことがあるので、第一部はとにかく楽しいお話をと心がけてきました。
    第二部になるとさすがにキツイ内容にも触れなくてはいけないので、極力学校などの
    シーンで息抜きができるようにと思っています。


編:そうだったんですね〜。先生の頭の中では、第二部バージョンのみんながいたんですね。
  編集部でも「ダイキチはいい男だよ…!」と人気です。
  さて、7巻は第二部初登場のキャラもいたりして新展開を迎えましたが、
  先生にとって、描きやすいキャラ、描きにくいキャラというのはありますか?

宇仁田:描きやすいのはダイキチとりんです。
    あとは、ダイキチの同僚3人とか先輩の後藤さんとか描くの楽しいです。
    描きにくいというか描くのに時間がかかるのは、大きくなったコウキとか
    コウキ母、紅璃、華やかな顔の人です。
    緊張します。


編:今までのところで、先生がいちばん気に入っているシーンやカラーイラストはありますか?

宇仁田:2巻の182ページ目最初のコマのりん、とても小さい絵ですが気に入っています。
    こどもらしい動きがうまく描けたのではないかと思います。
    カラーでは、41話42話の扉。


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編:意外な箇所かも?

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編:41話扉。7巻の口絵として収録されています。


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編:42話扉。

 

【漫画家生活について】

編:漫画を描き始めたのはいつごろですか?

宇仁田:漫画と言っていいようなものは、雑誌に投稿を始めた25歳のころからです。
    らくがきはこどもの頃からわりと好きでしたが、
    高校ぐらいのときに「わたしヘタクソだなー」と思って
    描くことから遠ざかってしまいました。
    だから今、自分が漫画家なのは奇跡です。


編:遠ざかった後に、また漫画に戻ってきてくださってありがとうございます…!


編:さて、どんな時にエピソードが浮かんだり、物語の展開を考えたりしていますか?

宇仁田:くだらないことも含めて、常に何かは考えていると思います。
    そのため(?)家事をしている時など、自分が今なにをやっていたのかよく忘れます。
    ダメです。


編:漫画以外のことをしている時も、身も心も漫画に持って行かれてますね〜。
  そんな漫画家生活をされている宇仁田先生ですが、原稿制作の過程で、
  どの作業がお好きですか? また、苦手な作業は?

宇仁田:ペン入れには独特の緊張感があって大好きです。
    呼吸を整えて、すうっと描く感じ。
    苦手なのは、ネーム(お話を考えること)です。
    こちらは時間がまったく読めないので…。
    スケジュールが厳しい時のネーム作業はつらいです。
    舌にブツブツができます。
    でもほんとに稀にですが、バシッと作れたときの気持ちよさは特別ですね。


原稿制作の流れ その1
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パソコン画面での人物シタガキ

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同じく画面でペン入れ

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うっかりズボンを履いていたので脱がす。仕上げ


編:漫画を描いている時の1日のタイムスケジュールを教えて下さい。

宇仁田:午前3時半より仕事→家族と朝食→こどもたちが保育所、
    学校に行ったら家事ちょっぴり→仕事→昼食→昼寝→仕事→家族と夕食お風呂→
    こどもとともに午後9時就寝


編:うわー! 午前3時半って!! 宇仁田さんから早朝にメールをいただくことがあるので、
  「すごい早い時間にお仕事されてる…!」とは思っていたのですが、そこまで早かったとは!
  頭が下がります。

編:お仕事の気分転換はどんなことをしていますか? お気に入りのおやつなどはありますか?

宇仁田:体を休めるのが第一なので、とにかくお昼寝です。
    あとは、あたたかい季節には庭で虫を見ています。
    おやつというよりは朝起きたときに体を暖める用で…
    ブルボンのミニシルベーヌと亀田製菓の手塩屋というおせんべい(まろやかだし塩味)。
    シルベーヌがすでにケーキのミニチュアみたいでかわいいのに、
    ミニシルベーヌはさらにミニなんです!
    おもちゃみたいで大好きです。


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ミニシルベーヌ


編:小さい頃、どんな本・雑誌を読んでいましたか? また、今は何がお気に入りですか?

宇仁田:加古 里子さん、滝平二郎さんの絵本が好きでした。もちろん今も。
    雑誌は「科学」。
    今年度で休刊になるのでさみしいです。
    娘が今小4なのですが、彼女にもずっと買っています。
    もう少しで「まんがサイエンス」の小5科学にたどりつけそうだったのですが…。
    あとはこども向けの「メル」というお菓子づくりの雑誌と「ピチ」という手芸雑誌。
    今は、こんどのジブリ映画「借りぐらしのアリエッティ」の原作を
    ちびちびと読んでいます。



編:ブログやTwitterをやられている先生ですが、何か面白いことはありましたか?

宇仁田:Twitterでは、海外の方から声をかけていただけることもあって、
    初めて自分の本が海外に渡っていることを実感しました。
    あとはお友達の漫画家さんとのやりとりを楽しんだり、
    あこがれの漫画家さんやアニメーターさんのつぶやきを見てニヤニヤしたり。
    お忙しい方ばかりなので、お仕事のじゃまをしないようこっそりとです…。


宇仁田先生の公式HP→http://unita.txt-nifty.com/
Twitterアカウント→unita_y

編:2010年はどんな年にしたいですか?

宇仁田:普通にまんがが描ければ…それだけです。
    身の丈に合った仕事量をていねいに。



編:最後に、フィーヤン読者へメッセージをお願いします。

宇仁田:これからも、りんをよろしくお願いします。
    がんばります!



編:インタビューご回答ありがとうございました!
  フィールヤング3月号(2010年2月8日発売号)にて、7巻直後のお話が巻頭カラーで掲載!
  見逃せない新展開です!!!!!


(取材:2010年2月某日)