「サプリ」完結の興奮冷めやらぬなか
スタートした新連載「＆ｰアンドｰ」の第１巻が大好評発売中！
早くもフィール・ヤングの大人気連載となった今作について
おかざき真里先生にスペシャルインタビュー！

【あらすじ】
医療事務として働く青木薫、26歳。
彼女がはじめたもうひとつの仕事、
そして、他人に触られるのが苦手な彼女が
触りたい男性ーーー。

〈「＆ｰアンドｰ」について〉

編集部（以下：編）：単行本発売おめでとうございます。
　　　　　　　　　　インタビュー、よろしくお願い致します。

おかざき真里（以下：お）：ありがとうございます。こちらこそよろしくお願い致します。

編：まず、今回の「＆ｰアンドｰ」のテーマは“恋愛プチフリ女”と“ダブルワーク”だと思うのですが、
　　この2つを描こうと思ったきっかけなど教えて下さい。
 
お：「不器用ですから」（笑）
　　私は自分のなかにあることしか描けなくて、
　　「サプリ」のあと、他になにがあるかなあって探してこれになりました。
　　実は「隠しテーマ」も自分の中に持っていて、
　　それがじんわり出てくればいいなあって思っています。
　　あとね、「サプリ」ドラマ化のときに出演者が
　　「『サプリ』とはこういうドラマです」って一言で言いにくそうだったんですよ。
　　「企画というのは一言で言い表せられるのが理想」と教育されてきた身として、
　　新連載は一言で言えるテーマを最初にかかげちゃおう、
　　旗印みたいにわかりやすいの（笑）、という目標がありました。
 
編：「隠しテーマ」、楽しみです。
　　また、“ダブルワーク”を描くきっかけの1つとして、
　　おかざき先生の会社員時代（兼業漫画家時代）というのがあると思いますが、
　　その頃、一番大変だったことは何ですか？　
 
お：大変なこと……、それはおいおい描いていきたいと思います。
　　そしてそんなに大変じゃなかったです。それも描きたいテーマのひとつです。
 

編：薫の2つ目の仕事として、ネイルアートを選んだ理由はありますか。
 
お：これは、友人がやっていて、私がその顧客だったので。
　　まったく未知の仕事をいちから取材して描く余裕がなかった、という理由もあります。（笑）
　　そして職人ぽく手のひらの上できれいなものを作る、という仕事に私も共感できたので。
 

編：おかざき先生がいま、漫画家以外にやってみたいお仕事などありますか？
　　または、1日だけ体験するのであればどんなお仕事が良いですか？
 
お：もうこの歳になると、1日体験では先方に申し訳なくて、
　　あと自分でもその仕事を思うようにあやつれなくて、何をやっても
　　フラストレーションたまりそうです！
　　一から漫画以外の仕事をするのであれば、
　　……やっぱりもう一本漫画の仕事を増やすと思います。（笑）
　　漫画描くのほんとうに好きなんですよー。同じくらい好きなものが思いつかない。
　　あと、ただいま「母」という仕事をしていて、これ以上職種を増やせないです。
　　トリプルワークになっちゃう。（笑）
 
編：確かにトリプルワークになってしまいますね。
　　「母」というお仕事を失念しておりました。失礼しました！
　　おかざき先生の漫画愛、編集部一同心強いです!!


編：さて、「＆ｰアンドｰ」には魅力的な2人の男性が登場し
　　読者も（もちろん編集部も）毎回ドキドキなわけですが、
　　年上の男・矢飼、年下男子・シロちゃんの2人だったら、おかざき先生はどちらが好みですか？
 
お：う～ん。今は矢飼かなあ…。
　　「矢飼のターン」を描いているので思い入れ的に。
 

編：薫は「サプリ」の藤井とは仕事に対しても恋愛に対してもタイプが違うようですが、
　　こっちの方がよりご自身に近い、などということはありますか？
 
お：薫は自分じゃないですね～。
　　こっそりモデルにしている知人がいるのですが、薫は自分じゃないです。
 

編：医療の現場の描写がとてもリアルで、実際に働いている読者さんからも
　　共感の声が多く寄せられています。
　　仕事内容などの取材はどのようにされているのでしょうか？
 
お：いとこに矢飼と同い年の肺外科医（呼吸器外科医）がいるので。
　　それと言葉など細かい考証等は、お医者様に見ていただいております。
　　看護師さんの知人にもしょっちゅう話を聞いたりしています。
　　クラークやっている女子や、派遣会社に取材もしています。
　　あと、実はツイッターでお医者様を数十人追いかけています。（笑）
　　今誰が当直入って、誰が手術中、看護師さんとの会話とかエピソードとか
　　改まって取材するよりタイムスケジュールや生の声が拾えるんです。
　　検食（当直のときに出される食事）が何時に運ばれてきて、おいしかったとか
　　メニュー変えてもらった、とか、そういうの取材ではなかなか拾えないですから。
　　ときどきこちらの正体を打ち明けて、「今の言葉はなんですか？」って聞いたり、
　　「先ほどのエピソード、漫画の中で使わせていただいてもいいですか？」って
　　聞いたこともあります。
 
編：ツイッターを使っての取材だとライブ感あるものになりそうですね。
　　これから増えそうな取材方法かも！

編：重みのある台詞や、超美麗な扉絵などに毎回多くの感想が届きますが、
　　「＆ｰアンドｰ」１巻のなかで、おかざき先生お気に入りのシーンや扉を教えて下さい。
 
お：最後に入っている、シロちゃんエピソードの回の
　　モノクロ扉【Number.5.5(side:shiro）】は気に入っています。
　　扉で遊ぶのが好きです。
　　薫がネイルをしている手元を描くのも好きです。
　　あと何故か「赤坂センセイ」登場のシーンは気に入っています。