家政婦・里シリーズ第2弾となる
「ピリ辛の家政婦さん」がこのたび発売となりました!
今回はお料理満載の一冊、ということで
巻末には作中に登場する料理の書き下ろしレシピがついてます☆

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定価980円

落ち目のライター五十鈴、妻を亡くし息子との距離をはかりかねる修、
“自分勝手”な作家集団・イヤサカ荘の住人たち…。
彼らにとって家政婦・里はスパイスか、 それともーーー?

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書店用POP

 

【「ピリ辛の家政婦さん」について】

編集部(以下、編):シリーズ2作目となる今作の単行本タイトル「ピリ辛」には
          どのような意味があるのでしょうか?

小池田先生(以下、小):1冊目の「放浪(さすらい)の家政婦さん」に合わせて
           「○○の家政婦さん」にしようと考え、今回は料理、食事シーンが
            たくさん出てくるので、食事がらみの言葉にしました。
            刺激があって、でもそれがおいしさのポイントみたいな。
            シリーズ主人公の里自身を表してます。
            里の皮肉屋で意地悪な性格はそんな感じで、激辛ではないつもり。


編:単行本のカバーに描かれているイラストは
  どのようなイメージで描かれたのですか?

小:(見つからないよう隠れてたり、拗ねて距離とったり、一人でいいもんと突っ張ってたりで)
  樹の上にいるあなたにもおいしい食事を運んじゃうよ~、て感じです。

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編:今回収録されている作品の中で、特に思い入れのある作品、
  また思い出に残る作品はありますか?

小:「ドルシネィア」。あとがきにも書いたのですが、
  深夜一人でドラマ「アリーマイラブ3」をぼ~と見てる時、
  その中でドンキホーテの歌「ドルシネア」をアリー母子が歌うシーンで
  ぱたぱた~と急に降りてきて出来た話です。
  忘れないようにその場のタバコの箱にネタとタイトルを書き、
  そのまま仕事机前の壁に貼ってました。5年以上も毎日そのメモった箱見てた。
  里にしては軽めの話だけどそういう理由で思い出深い。

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依頼人・五十鈴と里のファーストコンタクト。


編:今回収録されている作品の中で、「好きなキャラ」「嫌いなキャラ」はいますか?

小:「ドルシネィア」の五十鈴好きだな、甘ちゃんのくせに虚勢張っててかわいい
  同じ理由で「イヤサカ」のユウヒも、作中ひどい扱いしてますが実は好きです。
  嫌いなキャラはいませんよ。

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「ラ・メゾン・イヤサカ」のユウヒ。


編:小池田先生の描かれる料理は、雑誌掲載時から大反響でした!
  そこで、モノクロの漫画で料理を美味しそうに描くコツを教えてください。

小:私が知りたいわ!!
  広告写真などの言葉で「しずる感」というのがあるのですが(食べ物を美味しそうに
  見せるパリっとかふわっとかのテクスチャー、瑞々しさや
  グラスに温度差でついた水滴やくもり、鍋の湯気などの感じ)、
  料理ではなく料理のしずる感を描く様に気をつけています。
  といっても難しい工夫は何もなく、たとえば「ソースがトロ~リ」とか
  口で言いながら描くとそんな感じになるので私がやってるのはそれくらい。
 

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「パースーシュー」より。パースーホンシューのレシピは
単行本巻末に載ってます…!


編:今回コミックス化にあたり、作中に登場する料理のレシピを
  大ボリュームで書き下ろしていただきましたが、
  苦労された点などがあればお聞かせください。

小:スペースが足りなかった(笑)。絵も入れたかったのに残念。
  もしわからない事などありましたら、ツイッターやってるので(@koikedamaです)
  気楽にきいてください。
  どれも美味しいので作ってみてね!

編:今後、里シリーズで描きたいテーマなどをお聞かせください。

小:そ…「掃除と整理整頓」。(自分が苦手なのでいつかチャレンジしたい)
  次回あたり描こうと思って用意してるのは「メンテナンス」。
  難しいですが、里はババコン設定なので「老いと介護」でも描きたい話があります。


編:最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

小:態度ふてぶてしい上、雇用者にも手を出すあるまじき家政婦ですが、
  楽々やっていそうで彼女なりにいろいろ悩みつつ、懸命にがんばってる。
  そんな漫画をもう少し描きたいので、里のことを好きになってもらえると嬉しいです。

※ フィーヤン1月号掲載の読み切りについて…ネタバレ注意!! ※








 

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編:発売中のフィール・ヤング最新号に掲載された
  里シリーズ最新作「ふにおちる」に登場する「うずみ豆腐」の簡単なレシピを、
  早速ですが教えていただきたく!

小:熱々の豆腐をつぶしてご飯とぐちゃぐちゃにして食べる、
  美味しいけどちょっと品のない感じの料理です。
  
  しかし!茶道の『古槐記』にも享保9年12月の夜食に登場。
  実は京都の伝統的な茶懐石料理だったりします。
  京都なので白味噌汁で豆腐を煮るレシピをよく見ますが、私は白味噌が苦手なので
  だし汁仕立て、片栗粉でとろみをちょっとつけた汁をかけて食べるレシピのが好きです。
  昔何かの雑誌で、松江のお殿様の朝ごはんがシジミの味噌汁仕立てのうずみ豆腐だった、
  というコラムを読んだ事があるので、豆腐を煮る汁物はなんでもいいと思うよ。
  汁は、いつもよりだしも味噌もちょっと濃い目にがコツです。
  豆腐も木綿、絹、お好みで。

1.豆腐は水切りして拍子木に切る。
2.好みの汁物の中で豆腐を煮る。
3.煮立って浮いてきたら豆腐を小どんぶりのような器にあげる。
4.炊きたてご飯か、お湯で洗ってぬめりをとったご飯をその上によそう。
5.上から汁をかけ、好みで海苔をちらし、カラシを添える。

  豆腐とご飯をぐちゃぐちゃに混ぜて、熱々のうちにすすっていただきます。
  要は豆腐入り汁かけご飯なんですが、名前がつくと人に作って出す時いいよね。
  あったまるし、飲んだ後まだ酒が残ってる朝とかホント効く。
  これからの季節にぜひどうぞ。



ありがとうございました!
単行本「ピリ辛の家政婦さん」と
短編「ふにおちる」が掲載されたフィール・ヤング1月号は絶賛発売中です!
お早めにどうぞ☆

(取材:2010年12月某日)